この記事でわかること

「インサイドセールスの面接って、どんなことを聞かれるんだろう…」



「未経験だけど、どう答えれば通過できるの?」



SaaS業界への転職を考える20代営業職の方なら、一度はこうした不安を抱いたことがあると思います。
実際、私自身も新卒で入った会社を辞めてSaaSのインサイドセールスに挑戦したとき、最初の面接で大きくつまずきました。志望動機を聞かれて「営業が辛かったので違う仕事をしたくて…」と答えてしまい、不合格。
今振り返れば当然ですが、準備不足でした。
しかし、その後 「面接で必ず聞かれる質問を30個リストアップし、NG回答とGood回答をセットで用意した」 ことで、通過率が一気に上がり、最終的に複数社から内定を得ることができました。
この記事では、同じようにSaaS業界へ挑戦する20代の方が迷わないように、インサイドセールス面接で必ず聞かれる質問30個と回答例をまとめます。
これから解説する内容は以下の通りです。
- インサイドセールス面接の特徴と傾向
- 【定番】必ず聞かれる質問10選と回答例
- 【未経験者向け】評価される回答例10選
- 【SaaS特有】理解を問われる質問10選
- 回答を準備する際のポイント
- 面接で逆質問すべきこととNG質問
- よくある失敗例とその対策
- 面接直前チェックリスト
この記事を読み終える頃には、面接でどんな質問が来ても「想定済み!」と自信を持って答えられるはずです。
インサイドセールス面接の特徴と傾向
まず押さえておきたいのは、インサイドセールス(以下IS)の面接は「一般的な営業職の面接」とは少し違うという点です。
他営業との違い(プロセスKPI重視)
フィールドセールス(外勤営業)が「契約・受注」といった最終成果を担うのに対し、インサイドセールスは 商談の創出やリードの育成 がミッションです。
そのため、面接官が知りたいのは「どのようにして質の高い商談を作るか」「商談化率をどう改善するか」といった プロセス改善力 です。
面接官が見ているポイント3つ
- 論理性:顧客の課題を整理し、仮説を立ててアプローチできるか
- 学習意欲:新しいツールや知識を吸収し、すぐに実践できるか
- 再現性:個人の成功体験をチームに展開し、仕組みにできるか
SaaS企業特有の傾向
SaaS企業では、ARR(年間経常収益)・解約率・オンボーディング などの概念が前提知識として扱われます。たとえ未経験でも、「知ろうとする姿勢」が伝われば大きなプラス評価につながります。
実体験:私が最初に落ちた理由
私が最初に落ちた面接では「志望動機を教えてください」と言われ、「営業が辛くて違う働き方を探しています」と答えてしまいました。結果はもちろん不合格。
振り返ると、「なぜSaaSなのか」「なぜISなのか」という 前向きな理由 を全く語れていなかったのです。その後は「SaaSの仕組みに共感した」「顧客課題を深掘りするプロセスに魅力を感じた」と答えるようにしたところ、通過率が大きく改善しました。
【定番】必ず聞かれる質問と回答例(10選)
どんな企業の面接でもほぼ確実に聞かれるのが以下の10個です。ここでは NG例/Good例/解説 の3点セットで紹介します。
1. 自己紹介・職務経歴を教えてください
- NG例:「法人営業をやっていました。」
- Good例:「法人向け新規営業を担当し、年間200件以上の商談を創出しました。特に電話でのアプローチから商談化につなげる点を強みにしています。」
- 解説:ISは「商談を作る力」が評価される職種。数字を入れて実績を伝えると好印象です。
2. 転職理由を教えてください
- NG例:「今の会社が合わなかったから。」
- Good例:「属人的な営業ではなく、仕組みを使って成果を出す働き方に挑戦したいと考え、SaaSのインサイドセールスに興味を持ちました。」
- 解説:ネガティブではなく「学びたい・挑戦したい」という前向きな理由に変換することが大切です。
3. インサイドセールスを志望する理由は?
- NG例:「営業より楽そうだから。」
- Good例:「顧客の課題を深掘りし、適切なタイミングで商談につなげる点にやりがいを感じました。」
- 解説:ISの役割理解を示しつつ、自己の強みと接続しましょう。
4. 営業職と比べてインサイドセールスの役割をどう理解していますか?
- NG例:「営業の一部だと思います。」
- Good例:「ISは案件の入口を作り、FSはクロージングを担うという役割分担だと理解しています。」
- 解説:役割の違いを理解しているかを確認されます。
5. あなたの強み・弱みは?
- NG例:「強みは明るさ、弱みは集中力が続かないことです。」
- Good例:「強みは目標達成への粘り強さです。弱みは抱え込みがちになる点ですが、最近は周囲とタスクを共有し改善しています。」
- 解説:弱みは「改善している」と伝えればマイナスになりません。
6. チームで働くときに意識していることは?
- NG例:「特にありません。」
- Good例:「商談化率を上げるため、成功したトークや失敗例をチームで共有していました。」
- 解説:チームプレーを評価される職種なので、具体例を語りましょう。
7. 数字目標にどう向き合ってきましたか?
- NG例:「数字は苦手でした。」
- Good例:「日々のアポイント獲得件数をトラッキングし、改善サイクルを回してきました。」
- 解説:数字を追う姿勢があるかを確認する質問です。
8. 苦手なお客様へのアプローチ経験は?
- NG例:「断られたら諦めました。」
- Good例:「断られるケースが多い顧客には、業界のトレンド情報を提供するなど切り口を変えました。」
- 解説:工夫や改善の経験を語るとプラス評価です。
9. 成果が出なかった時どう改善しましたか?
- NG例:「特に何もしていません。」
- Good例:「商談化率が低かった際、ヒアリング質問を見直し、同僚にフィードバックをもらって改善しました。」
- 解説:振り返り→改善というプロセスを示せると強いです。
10. 将来のキャリアパスをどう描いていますか?
- NG例:「あまり考えていません。」
- Good例:「まずはISで成果を出し、将来的にはFSやCSにも挑戦してSaaS営業を幅広く経験したいです。」
- 解説:ISを通過点ではなく、成長のステップとして位置づけると良い印象です。
【未経験者向け】評価される回答例(10選)
インサイドセールスは、未経験者を採用する企業も多い職種です。その分、面接官は「これまでの経験をどう活かせるか」「学習意欲があるか」を見ています。ここでは、未経験者が特に準備しておくべき10問を紹介します。
11. SaaS業界を選んだ理由は?
- NG例:「IT業界は給料が高いから。」
- Good例:「サブスクリプションモデルで顧客と長期的に関係を築く点に魅力を感じました。営業経験を活かし、顧客課題の発見から支援したいと考えています。」
- 解説:業界の特徴を理解し、自分の強みと接続できると説得力が増します。
12. 未経験でも成果を出せると思うポイントは?
- NG例:「やる気があるから大丈夫です。」
- Good例:「前職で1日100件以上の架電を経験しており、量をこなす体力には自信があります。さらに、成果が出なかったときに改善点を探し出す習慣もあります。」
- 解説:やる気だけでなく、具体的なスキルや経験を根拠に示すことが重要です。
13. 前職で培ったスキルをどう活かせますか?
- NG例:「特にありません。」
- Good例:「新規顧客へのアプローチで鍛えたヒアリング力は、リードの課題を掘り下げる場面で活かせます。」
- 解説:どんな経験も「顧客対応」「改善」「数字」の観点で転用できます。
14. 新しいツールや業務をキャッチアップする方法は?
- NG例:「詳しくはないので不安です。」
- Good例:「まず触ってみて、わからないことは社内外のマニュアルで調べます。実際、前職でも新しいCRMを2週間で習得できました。」
- 解説:具体的な習得エピソードを入れると信頼性が増します。
15. 失敗から学んだ経験を教えてください
- NG例:「特に失敗したことはありません。」
- Good例:「提案を急ぎすぎて失注した経験があり、その後はヒアリングを倍の時間取り、課題を明確化するように改善しました。」
- 解説:失敗を隠すのではなく、「改善のストーリー」にするのがポイントです。
16. 顧客との信頼関係を築くために意識していることは?
- NG例:「元気よく挨拶することです。」
- Good例:「顧客の状況を理解し、役立つ情報をタイムリーに提供することを意識しています。」
- 解説:抽象的な性格面よりも「行動ベース」で答えると評価されます。
17. 自己学習はどんなことをしていますか?
- NG例:「特に何もしていません。」
- Good例:「SaaS業界のニュースや書籍を読み、基礎知識をインプットしています。最近はARRや解約率の仕組みについて学びました。」
- 解説:たとえ小さな学習でも「行動している」ことが重要です。
18. IT知識が不足している場合どう補いますか?
- NG例:「自信がありません。」
- Good例:「不明な用語はその場でメモし、帰宅後すぐ調べて理解するようにしています。ITパスポート試験の勉強も始めています。」
- 解説:「学習意欲がある」と示せれば十分です。
19. 周囲を巻き込んで成果を出した経験は?
- NG例:「自分ひとりで頑張りました。」
- Good例:「マーケティング担当と協力し、ターゲットリストを改善した結果、商談化率を20%向上させました。」
- 解説:ISは他部門との連携が必須。過去の協働経験を語れると好印象です。
20. 入社後どんな成長をしたいですか?
- NG例:「特にありません。」
- Good例:「まずは商談化率の改善に責任を持ち、将来的にはチームの成果をリードできる存在になりたいです。」
- 解説:短期的な成果+中長期のキャリアの両方を伝えましょう。
【SaaS特有】深掘りされる質問と回答例(10選)
SaaS企業のインサイドセールス面接では、他業界では出ないような質問も飛んできます。ここを事前に準備しておくと、大きな差がつきます。
21. インサイドセールスのKPIを知っていますか?
- Good例:「代表的な指標は架電数・コンタクト率・商談化率・受注率だと理解しています。」
- 解説:KPIを押さえているかは最低限の知識チェックです。
22. リードの質と量、どちらを優先すべきだと思いますか?
- Good例:「立ち上げ期は量を担保し、データが集まった段階で質にシフトすべきだと思います。」
- 解説:「どちらか一方」ではなく「フェーズで変わる」と答えるとプロっぽく聞こえます。
23. 商談化率を高めるために工夫できることは?
- Good例:「顧客の課題を掘り下げる質問リストを準備し、ニーズに即した情報提供を心がけます。」
- 解説:具体的なアクションに落とし込めるかを見られています。
24. SalesforceやMAツールの使用経験はありますか?
- Good例:「直接の経験はありませんが、前職でSFAを利用し、データ管理の重要性を学びました。Salesforceも自学で基礎を学んでいます。」
- 解説:未経験でも「キャッチアップする姿勢」を示せばOKです。
25. 架電数やアポイント数が未達ならどう対策しますか?
- Good例:「時間帯の分析やトークスクリプトのABテストを行い、改善します。」
- 解説:改善の方法論を具体的に語れるかがポイントです。
26. 顧客の課題をどうヒアリングしますか?
- Good例:「現状→理想→課題の順に質問をし、ギャップを特定します。」
- 解説:構造的な質問の流れを答えられると評価されます。
27. 顧客の「興味がない」という反応にどう対応しますか?
- Good例:「すぐに売り込まず、業界トレンドや事例を共有して次の接点につなげます。」
- 解説:一度の会話で終わらせない工夫を示すことが大切です。
28. インサイドセールスとフィールドセールスの役割分担は?
- Good例:「ISは案件創出とリード育成、FSはクロージングを担うと理解しています。」
- 解説:役割の理解度を確認する質問です。
29. SaaS営業における解約率を下げるために何ができると思いますか?
- Good例:「初期商談で利用イメージを明確にし、早期にCSへ引き継ぐことでオンボーディングをスムーズにします。」
- 解説:ISの段階から解約率に寄与できる視点を語れると好印象です。
30. 当社のサービスをどう理解していますか?
- Good例:「貴社のサービスは◯◯業界に特化し、効率化を支援している点が強みだと理解しました。」
- 解説:企業研究の有無をチェックする定番質問。IR資料や公式ブログを必ず確認しておきましょう。
回答準備のコツ【差がつく3ポイント】
ここまで30個の質問を紹介しましたが、最後に「どう答えを準備するか」のコツを押さえましょう。
1. 数字を具体的に入れる
「商談化率を改善しました」では弱いですが、「商談化率を10%から15%に改善しました」なら説得力が増します。
2. プロセス思考を見せる
「工夫した」ではなく「仮説→行動→検証→改善」のサイクルを語ることが大切です。
3. SaaSキーワードを自然に使う
ARR、解約率、オンボーディングといった用語を会話に入れると「業界理解度が高い」と見られます。
面接で逆質問すべきこととNG質問
面接の最後に必ず訪れる「逆質問タイム」。ここで何を聞くかによって、面接官の印象は大きく変わります。
逆質問で好印象を与える質問例
- 評価制度やKPI設計について
「インサイドセールスはどのKPIで評価されるのか、商談化率や架電数のバランスを教えていただけますか?」
→ 数字に前向きな姿勢をアピールできます。 - 部門間の連携について
「インサイドセールスとフィールドセールス、カスタマーサクセスとの連携体制はどのようになっていますか?」
→ 仕組みで成果を出したい姿勢を示せます。 - オンボーディングや研修について
「入社後のオンボーディングはどのような流れでしょうか?1か月で期待される成果についても教えていただけますか?」
→ 学習意欲と計画性を示す質問になります。
逆にNGな質問例
- 「残業は多いですか?」(労働環境だけを気にしている印象)
- 「御社のサービスはどんなものですか?」(調べればわかる質問は準備不足の証拠)
- 「給料はすぐに上がりますか?」(条件だけで選んでいるように聞こえる)
よくある失敗例とその対策
面接で落ちてしまう人には、共通の失敗パターンがあります。事前に知っておけば回避できます。
1. 志望動機が抽象的すぎる
- 失敗例:「SaaS業界は成長しているから興味があります。」
- 対策:業界(SaaSの将来性)×職種(ISの役割)×会社(その企業を選んだ理由)の三点セットで答える。
2. 前職批判ばかりになる
- 失敗例:「上司が合わなかったので辞めました。」
- 対策:不満を語るのではなく、「こういう働き方をしたい」と前向きな表現に変換。
3. ツール未経験を言い訳にする
- 失敗例:「Salesforceを使ったことがないので不安です。」
- 対策:「未経験ですが、前職でSFAを短期間で習得した経験があり、キャッチアップは得意です」と言い換える。
4. 質問に一言で終わる
- 失敗例:「はい」「いいえ」だけで回答。
- 対策:必ず「結論+具体例+結果」の3点で答える。
面接直前チェックリスト
面接前の30分で最終確認しておきたいポイントをまとめました。
事前に必ず準備しておく5つの回答
- 自己紹介(1分以内)
- 転職理由
- 志望動機(SaaS×IS×その会社)
- 強み・弱み
- 将来のキャリアパス
企業研究で押さえる3ポイント
- サービス内容(公式サイト・プレスリリース)
- 競合との差別化
- 直近のニュースや導入事例
逆質問は最低2つ準備
- 評価制度について
- 部門間の連携について
- オンボーディングについて
まとめ:インサイドセールス面接は「準備×学習意欲」で突破できる
本記事では、インサイドセールス面接で必ず聞かれる質問30個と回答例を紹介しました。
要点を振り返ると
- 定番の質問10個は数字やプロセスを交えて答える
- 未経験者向け質問10個はスキル転用と学習意欲を示す
- SaaS特有の質問10個はKPIや解約率など業界用語を押さえる
- 逆質問は「仕組み」「評価」「連携」にフォーカスする
インサイドセールスの面接は、派手な成果よりも 「学ぶ姿勢」「改善する力」 が重視されます。質問への回答を準備するだけでなく、面接官に「この人は伸びそう」と思わせることが合格の鍵です。
次にやるべきこと
- 今日中にこの記事の30問をノートに書き出す
- 各質問に「NG例→Good例→自分の回答」を整理する
- 逆質問を最低2つは準備する
準備さえすれば、未経験でも十分に通用します。自信を持って、面接に挑んでください。